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マネジメントの力で良くしてみよう

マネジメントとは何か

よくわからないマネジメント

「マネジメント」という言葉をよく耳にします。ときには「マネージメント」と、いかにも日本語らしく言う方もいますが、いずれにしても、「マネジメント」は、ビジネスの場面を中心に、日常生活でもかなり浸透している言葉です。リスクマネジメント、セルフマネジメントをはじめ、〇〇マネジメントなんてよく言いますからね。

これをお読みいただいているあなたも「マネジメント」という言葉はご存じですよね?

しかし、その「マネジメント」がいかなるものなのか、きちんと説明できる人に会ったことがありません。みんな「マネジメント」と当たり前のように言うけれど、いったい何のことを言っているのかよくわからないのです。

 

仕事でご一緒する経営者や管理職を中心に、いろいろな方に質問をしてみました。

「マネジメントとは何ですか?」

あなたなら、この問いにどう答えますか?

感覚的で申し訳ありませんが、約8割以上の方が、次のどちらかを答えます。

「管理」
PDCA

この答えをきいてもチンプンカンプンです。管理とは何をすることなのか、どういう状態になれば、PDCAができているのか、やはりよくわかりません。

「どうしてそう思うのですか?」

と更に質問してみると、これまた不思議なことに、誰もきちんと答えられません。マネジメントの父と言われるピーター・ドラッカーがそう言っているのなら、仕方がないと思いますが、ドラッカーは、マネジメントを「管理」や「PDCA」などと同じように論じたことは一度もありません。(そのはずです)それでも、多くの方が、同じように認識しているのは、不思議でなりません。
私も偉そうなことは言えません。少し前まではそうでしたからね。

これはあくまで私の推測ですが、人には語感で意味を解釈する傾向があるのではないかと思います。つまり、「リスクマネジメント」とか「セルフマネジメント」などという言葉を聞いて、何となく「マネジメントとはそんなものではないか」と理解しているのだと思います。何となく理解しているから、それを強く意識することもありませんし、深く考える機会もなかった、ということだと思います。

 

マネジメントは凄い

「『マネジメント』がどのように理解されていても、いいではないか」
という声が聞こえてきそうです。しかし、私はそうは思いません。とてももったいないことだと思います。何かがうまくいかないとき、その原因が「マネジメントにある」などと言う人は、ほとんどいません。理解されていないから、マネジメントに注意が払われることもないのです。

会社経営であれば、「優秀な人材がいない」、「(規模が)小さい」、スポーツや勉強であれば、「運動神経が悪い」、「頭がよくない」とか「努力が足りない」などと、気になることや目立つことばかりが言い訳のように取り上げられ、そう言うことでそれ以上考えなくて済んでしまいます。

でも、間違いなく言えることは、マネジメント次第で結果が大きく変わります。

情報システム投資をしたわけでも、大企業と提携したわけでもなく、もちろん人材が入れ替わった訳でもないのに、売上高が飛躍的に上がったり、史上最高益を上げたりします。個人的な活動でも同じです。勉強の成績が良い、スポーツのパフォーマンスが高いという人たちには、才能と努力以外にも、マネジメントの要素がいくつも転がっています。

カギは「人の取組み」です。人の取組みが変われば、結果が大きく変わります。それを可能にするのがマネジメントだと思います。しかも、マネジメントは無料です。人が活動を変えるのに、基本的に費用はかかりません。マネジメントが機能することによる効果が高いのに、コストはゼロ。こんな美味しい話はないように思うかもしれませんが、マネジメントは凄いのです。

 

マネジメントにあたりをつけてみる

マネジメントを探求するのが、私のライフワークであり、このブログの目的の一つです。ですから、「マネジメントとは何か」と現時点で、はっきりと定義することはできません。それでも、マネジメントを「ただ得体の知れないもの」とするのでは、マネジメントに携わる仕事をして、四六時中、マネジメントを考えている者としては、いかにも情けないので、最初にマネジメントにあたりをつけておきます。

マネジメントを一言で表すと次のようになります。

人々の相互作用を通じて、望む将来を実現するための知恵であり技能である

自分でいうのも何ですが、どうも抽象的です。マネジメントをする人、実現する将来像、そして取り巻く環境などによって、何をどのようにすべきかが大きく変わるため、一般化すると、どうしてもこうなります。これからブログを書き進めていく過程で、具体的に掘り下げていきます。そんなマネジメントですが、私なりのフレームワークを最後に示して、今回は終わりにします。
私は、マネジメントを次の5つの行動で整理しています。

  1. 規律を守る Discipline
  2. どうしたいのかという想いを知る Identify
  3. 十分に段取りする Prepare
  4. 質の高い行動を起こす Generate
  5. すぐに振り返って改良する Reflect

マネジメントは具体的な成果を上げることを使命とするものだと思います。具体的なものを一般化しようとすると、どうしても、「目の前の問題には、そのまま適用できない」ということが起こります。反対に、具体的なものをかき集めるだけでは、「ゼロから考えないといけない」という効率の悪さを受け容れなければなりません。そこで、具体的に見たことや聞いたことと、その背後にある一般化された原理や原則を行ったり来たりしながら、マネジメントの探究を進めていきます。きっと、絶対的な解を見出すときは来ないでしょうが、だから面白いのでしょう。

 

 

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