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マネジメントの力で良くしてみよう

段取りの枠組み

マネジメントでは、何を実現したいのかという想いがわかったら、次は、それを本当に実現させるために、段取りをすることになります。
まず「段取り」とは何か、を広辞苑で確認してみます。知っている気にならないで、ちゃんと調べる。つい怠ってしまいますが、大事ですね。成果の種は凡事にあるということでしょうか。広辞苑では次のように書かれています。

①芝居などで、筋の運びや組み立て。
②事の順序・方法を定めること。
③心がまえをすること。工夫すること。

段取りとは、やり方や手順を決めるだけでなく、心構えまで整っている、というのがいいですよね。逆に言えば、心構えができるくらい、綿密に筋を組み立てる、ということでしょう。似たような言葉はいくつかありますが、「段取り」出なければダメです。言葉には拘る、です。

 

では、マネジメントにおける「段取り」とはどういうことなのか。ここでは経験則からその枠組を定義してみます。

マネジメント上の「段取り」は、次の3つの行動であらわすことができると思います。

  1. ギャップを捉える
  2. やるべきことを揃える
  3. シナリオを描く

各々の行動の詳細については、どこかのブログで書くとして、今回は、この枠組をまとめてみようと思います。

ギャップを捉える

マネジメントの「段取り」の最初の行動は、足りないものをはっきりさせる、ということです。「ギャップ」と呼んでいるのは、何となく足りないのではなく、具体的な差として理解する必要があるからです。
ここで大事なのが、捉えるべきなのは、何と何のギャップなのかということです。基本の型は次のようになります。

 

あるべき姿と現状とのギャップ

 

この基本の型を、何に対して用いるのか、いつの時点でみるのか、ということで3つの型に分けられます。詳しくは別の日に書きますが、つねに、どうあるべきかを考え、現状を正確に把握する、この2つの視点を持っていれば、「足りないもの」は、自ずとはっきりします。

 

やるべきことを揃える

マネジメント上の「段取り」の2つ目は、何をどれだけやれば、あるべき姿を実現できるのかを組み立てるということです。ここでは、いきなり何をやらなければならないのかと考えてはいけません。それは、最初に頭に浮かんだ行動だけでは、足りなかったり、まとはずれだったり、効果的でなかったりするからです。

クリアしなければならないこと(課題)を大きくとらえ、それを論理的に細分化にしていく。そして、細分化した課題に対して、具体的に何をやるのかを決めるというものです。例えば、クリアしなければならない大きな課題の1つに、「お客様の数を増やす」というのが挙げられた場合、「では、どういうカテゴリーのお客様を増やすのべきか」と考えていく。そして、その細分化したお客様を増やすために、「やるべきことは何か」と整理していく訳です。広がりを持たせながら課題を整理し、それを具体的な行動へと掘り下げていく、というものです。

 

シナリオを描く

マネジメント上の「段取り」の最後は、どういう流れで行動していくかを決めるというものです。組織であれ個人であれ、「やるべきだ」と認識していても行動に移されないことはよくあります。

それはだらしがないからではありません。決めていないからだと思います。誰がいつ、何を、するのかをはっきりさせるということです。これは単にスケジュールを決めるということとは、ちょっと違います。なにせ、決まった期限までに、描いたあるべき姿に到達しなければなりませんので、当然、その道中は厳しいものになります。例えば、あるべき姿から逆算する、あるべき姿に到達するまでに通過すべき小さなゴールを設けるなどです。

 

では、次回以降で、この枠組に基いて、マネジメントにおける「段取り」を詳しく整理していきます。