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マネジメントの力で良くしてみよう

目標は苦痛

以前の記事で、ありがちなマネジメントの現状をまとめてみました。状況を簡単に要約すると、ポイントは次の4点です。

  • 達成が難しい高い目標が課される
  • 上司は部下に目標を割り当てる
  • 達成プロセスは部下に完全に丸投げされる
  • 達成できなければ、部下は上司の叱責を受けたり反省を促されたりする

kakemana.hatenablog.com

こういう状況にあると、管理職にとって、目標は苦痛になってしまいます。目標とは、本来、実現したい将来像のはずなのに、何としても避けたい苦痛になる。なんとも虚しいです。これでは成果が出るはずもありません。

人は苦痛を感じると、逃れようとします。目標にも同じことが見られます。職責を全うしなければなりませんので、あからさまに目標から逃れることはできませんが、精神的苦痛をやわらげるため、「変な行動」に走ることが少なくありません。私が遭遇する「変な行動」は主に3つのパターンがあります。

 

とにかく達成すればいい

目標を達成する、ということはどういうことを意味するのかなどと考えることなく、ひたすら自分の目標達成だけを追いかけるというものです。例えば、次のようなものです。

  • 何としても売上目標を達成するために、得意先に懇願して、月末に商品を押し込んで買ってもらい、次月早々に返品しもらい売上を仮装する
  • 自店の販売目標を達成するために、お客様からの注文が入ったと偽り、他店で欠品が発生することなどお構いなく、売れ筋商品を基準以上に自店に確保する
  • 納期遵守目標を達成するために、前工程に必要以上に厳しい期限を通知して、自部門での作業時間に余裕を持たようとする

これらはどれも、自分だけ目標を達成すればよいというものです。これでは目標達成が目的になり、未来に希望を抱き、想いをはせるどころか、単に形式的に達成要件を満たすことばかりに囚われてしまいます。