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質の高い仕事

昨日は、質の悪い仕事について書きました。

kakemana.hatenablog.com

悪いことを知るだけでは良くなりませんので、今回はその反対である「質の高い仕事とは何か」について、まとめてみます。

突然ですが、あなたなら次の2つの質問にどう答えますか?

  • 質の高い仕事ができていますか?
  • なぜ質が高いと言えるのですか?

こんな哲学みたいな問いについて、じっくり考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。
現代は、いろいろな業務をたくさん処理することが求められます。どうしても日常業務に埋没して、目の前のことをこなすことだけになってしまいがちです。それでも何とか改善していくためには、ときにこのような哲学的、根源的なことについて考えることは大切だと思うんですよね。
ブログや本のなかで質問されても、考えずに、次を読みたくなるところですが、上の2つの質問について考えてみてください。

考えていただけましたか。これは、つまるところ「質が高い仕事とは何か」ということです。ご自身の考えをはっきりさせていただいたので、次に、他の人の意見を共有しましょう。次の4つは、「質の高い仕事とは何か」について、プロジェクトや研修の場で、頻出する皆さんのご意見です。

・成果の大きい仕事(得られる売上や利益の金額が大きい)

・広く社会に貢献する仕事(世の中を変える、良くする)

・お客様のためになる仕事(ニーズに応える、喜ばせる)

・コストをかけない仕事(材料や時間などの投入が少ない)

 

どれも「確かに」と思います。私もそんな仕事がしたいと心から思います。ところが「質が高い」という視点は、上の4つの考えとちょっと違います。ここで、我々の考えをご紹介したいと思います。我々の考える「質の高い仕事」とは以下のようなものです。

 

質の高い仕事:要求された条件に一致した仕事

 

抽象的な定義ですから、ピンと来ない方も少なくないと思います。少しずつ言葉を足していきましょう。まずは、この考えの前提についてお話しします。

仕事には必ず「依頼者」が存在します。お客様や上司がそれに当たります。仕事のなかには、不特定多数のお客様に対して行うものや定期的に行う業務など、依頼をする人がはっきりしないものも少なくありません。しかし、それは依頼者の存在がはっきり掴めないだけです。仕事は必ず提供する人とその恩恵を受ける依頼者がいるのです。これが前提です。

次は、「質が高い」とは、どういうことかについてです。依頼者がいるということは、「要求されるもの」があるということになります。何をお願いされているのか、ということです。「質が高い」というのは、この要求に合致するものでなければなりません。高くても低くてもダメなのです。要求されたものよりも高いのであれば、「質が高い仕事」と言えそうですが、そうではありません。仕事は必ず経営資源を投じなければなりません。経営資源を必要以上に使いすぎるのは、機会損失が発生するので、やはり質は高いと言えないのです。軽自動車に高級車の部品を取り付けようとしてはいけません。要求された安全基準や快適さに合致したものを提供すれば、質は高いのです。
「質の高い」仕事をするためには、要求された条件は何かをはっきりさせることが肝要です。まずは意識することから、はじめませんか。