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【受験×マネジメント】志望校をどう選ぶべきか

今日は、本でいうところの「コラム」を書きます。
ブログを始めてから、ずっと「マネジメントとは何か」ということを断片にして書いてきました。断片はまだまだ、たくさんありますが、ちょっと気分転換に「マネジメントをどう応用するか」という視点で書こうと思います。
今回は、ちょうど受験シーズンでもありますので、大学受験をマネジメント的にアプローチしたらどうなるのか、ということを書いてみます。受験勉強の全体像はとても書き切れないので、「志望校をどう決めるのか」、つまり志望校のあるべき姿について、考えてみます。

 

数か月前、かつての同級生が大学受験について、次のような話をしてきました。

友人:「この間、娘と大学のオープンキャンパスに行ってきたんだけど、やっぱり行かないと雰囲気わからないよね。今のところ〇〇大学がいいかな」
私:「いいことだね。でも、オープンキャンパスを見て決めるの!? でも、なんで〇〇大学なの?」

友人:「だって、もっと上の大学行ってもらいたいけど、娘はそんなに頭が良くないから、無理だし・・・。〇〇大学なら、頑張れば行けそうなんだよね」
ここで気になったのが、「行けそうな大学を目指す」という考え方です。もちろん、本当にその大学に行きたいと願っているのであれば、そうすべきだと思います。でも、この友人の場合には、「もっと上に行ってもらいたい」と思っているのに、無理だと決めつけてしまっています。

ここで、企業の現場のおいて、管理職の方々からよく聞くフレーズが頭をよぎりました。「前年比で120%なんて無理ですよ。去年は前年をキープすることすら出来ていないんですよ。出来たとしてもプロジェクト目標は100%くらいが限度じゃないですか」 でも、プロジェクト終了後には120%を達成しているということも珍しくありません。

マネジメントでは、実現不可能でなければ、あるべき姿は高い方が良いのです。そして、そのあるべき姿と現状のギャップをはっきりさせる。つまり、足りないものを明確にします。そして、どうすればこのギャップを埋められるかを、論理的に整理して、やるべきことを具体的にしていきます。
これを大学受験に引き直してみると、「行きたいのであれば」ですが、要求される水準が高い大学を志望校に設定する方が良いと思います。日本の場合、その方がまだまだ選択肢が多いからです。
ここで問題になるのが、「合格できるのか」ということですが、この問いには実は意味がありません。冒頭で例に挙げた友人の娘さんは、高校2年生ですが、その時点では、間違いなくほとんどの受験生が、「合格水準にない」状態だと思います。つまり、この時点では、ほとんどの人が「合格できない」レベルにいるのです。ですから、「合格できるのか」と問うたところでまったく意味がありません。友人は、きっと、これまでの学校での成績を見ると、「合格できそうにない」と思ったのでしょうが、高校2年生の段階では、「現状がどうか」は重要ではないでしょう。大切なのは、「これからどのようにして合格水準まで持っていくか」ということです。
行けそうな大学を志望校に設定すると、受験勉強はこれまでと同じような方法でやることになります。これまで通りにやって、努力を続ければ合格できそうだからです。ゼロベースで見直そうという意識はなかなか生まれません。人は問題だと感じないと現状を変えようとはしないものです。そうすると、例えば、英語を勉強する場合、みんなが使っている英単語の参考書を、あまりよく考えずに、1ページ目から覚え始めたりする、ということが行われたりします。
逆に考えれば、志望校を思いきり高く設定した場合、 「これまで通りでは合格するはずがない」ので、勉強方法を見直さなければなりません。「どうすれば合格できるのか」と考え、赤本を買ってきて過去問を分析し、何か課題なのかを探らなければならないでしょう。そして、必要な参考書を揃え、課題をクリアできる勉強方法をひたすら実行するのです。たとえ、高校生がそう気づけなくても、親にマネジメントの発想があれば、そう導くことができます。
また、難しい大学にチャレンジして、仮に失敗したとしても、損するのは受験料くらいではないでしょうか。間違いなく言えるのは、ゼロからやり方を見直し、「どうすれば実現できるか」と考え抜けば、その経験は必ず役に立ちます。歴史的な偉業はもちろん、割と身近にいる、すごい成果を上げている名もなき英雄たちも、決して、できそうな目標に取り組んできたわけではありません。先に想いを描き、それを何とかして実現してきたわけです。

大学受験は、行きたい学校で出来るだけ高いところ目指す、しかも、受験勉強を始める前に設定してしまうのです。注意すべきは、「合格できるかな」などと考えないことです。「ほかを目指すつもりなどない」と決断して、「どうしたら合格できるか」というモードに脳を変えてしまいましょう。そうすれば、あとは単に「やり方」の問題です。続きは、いつか書こうと思います。