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× マネジメント

マネジメントの力で良くしてみよう

とにかくやる

昨日は、行動の後戻りについて書きました。新しい行動が定着しないのは、「意味がわからないことはやりたくない」という気質ではないか、というものです。

kakemana.hatenablog.com

でも、人に限らず組織でも同じですが、成長するためには、新しい行動を始めて、それを「ものにする」ことが不可欠です。現在と同じ行動を繰り返していても、より上手くやれるようにはなりますが、成長には限界があります。つまり、成長するために、新しい行動を定着させなければなりません。では、後戻りをせず、行動を定着させるためには、どうすればよいのか。

コンサルティング会社時代に知った「定着の3つのステップ」というのがありますので、それをご紹介しましょう。これは知識としてではなく、実践においても「間違いない」と思えるものです。

コンサルタントっぽく書く場合には、通常、最初に枠組みの全体像、つまり、「定着の3つのステップとは、次の3つである」などと位置づけながら、各々の関係や構造を要約し、次に詳細を順番に説明する、という感じになると思います。しかし、今回はそうはしません。全体像がわからない、つまり、先が読めないという苦痛のなかで、ひたすら進むのがよろしいかと思うからです。よろしければ、是非、お付き合いください。では、行きましょう。

行動が定着する最初のステップは、「決まり通りに、とにかくやる」ということです。要求された条件に一致する行動をひたすら続けるということです。簡単なようですが、これが非常に難しい。というのは、必ず「なぜこれをやらなくてはならいのか?」とか「もっと効率的にやる方法があるのではないか」などという不満が出てくるからです。
それなら、「最初にきちんと説明すればいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし、それではダメなのです。それは「理解しないと受け入れない」という姿勢が、行動を定着させる上で邪魔になるからです。
実は、この教えはいろいろなところで見ることができます。ちょっと古いですが、好きな映画を例にあげてみます。ジャッキー・チェンの映画に「酔拳」というお話があります。ご存じの方もいるでしょう。「酔拳」のなかで、ジャッキーは武術の修行をさせられるのですが、師匠は最初に、水汲みやクルミ割り、腕立てなどをひたすらやらせます。ジャッキーはちょっとふざけながらも、その修行に何とかついていきます。そして、あるときジャッキーが不満を口にします。「基礎体力づくりばかりでカンフーを教えてくれない」と。そこで師匠が打ち明けます。「酔拳に必要な基礎を教えていたのだ」そして、そこから技の鍛錬が始まるわけですが、ここに示されている教訓は、「基礎を大切にする」ということだけではありません。「師匠の教えに従う」という弟子の姿勢です。教えがどういう形で提供されようが、求められていることを必死にやるのです。

これについても先人の教えを拝借します。ジョージ・レナード氏が、著書『達人のサイエンス』で示した、達人へのキーポイントのひとつ、「自己を明け渡す」ことに非常に似ています。レナード氏は、何かの達人になるには「自己を明け渡す」勇気がなければならないとしています。つまり、重要なことを新しく学習するときには、どういう場合でも初めの頃は馬鹿になり、自分が苦労して得た技能を捨てることが必要であるとしています。この様子は、文学作品における、剣術の達人と弟子の物語や映画「ベストキッド」でも同じように描かれている、としています。

新しい行動の「意味が分からない」と拒絶しようとするのは、「これまでの経験に照らせば、やる必要がないと思う」ということだと思います。行動することの真の意味は、実践した後にしかわからないのですから、「四の五の言わずに、忠実にやってみる」ということがなければ、新しい行動は定着しないのです。まずは、「とにかくやる」です。